コンプレックスとロケンロールとブランディングと
今週の月曜日、秋分の日。次女の幼稚園最後の運動会でした。
本当は運動会は日曜日の開催予定だっけど、台風カム。
でも、翌日、何とか天気が戻ってくれた。
幼稚園最後ってこともあるし、園庭で走り回る姿が見たかったから本当によかった。
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運動会を観に来る父兄の中で、髪の毛を結んでいる男は僕だけ…でした、昨年までは。
今年、ちょんまげが一人増えました。
「あら、ちょんまげが増えてるじゃない、重野さんパパの専売特許だったのに」とは、ある知り合いのお母さんの言葉です。
存在感が無くても、こんな髪の毛をしてるだけで、多少は目立ってしまいます。
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なぜ、髪が長いのか?
楽なんですよ、長いと。
シャンプーが大変と言えば大変だけど、髪の短かった時のシャンプーの感覚を忘れた今は苦痛じゃない。
風呂上がりに、乾かすのが面倒臭かったらそのまま寝てしまえばいい。
翌朝寝癖がついていたとしても、その時は結んでしまえばいい。
楽なんですよ。
そして快適でもある。
束ねてしまえば、視界は坊主の人、スキンヘッドの人と同じになる。
夏は、暑い。
だけど髪の毛の内部で四季を感じられる、レアな経験が出来ていると思うと不思議と耐えられる。
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人と違う事をしたいというのも大きな理由。
目立ちたいのではない、違う事がしたいんです。
違う事がしたい。ベタは嫌だ。
人と同じじゃつまんない、そんな子供みたいな気持ちが、いまだに僕の中を大きく占めています。
(こういうの厨二病って言うのかな)
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少年時代に遡ってみる。
運動平均的、勉強もそこそこ。
ずば抜けたものがなかったから、学校でヒーロー的存在にはなれなかった。
運動会とかも憂鬱だった。
サッカーやってたけど、身体が大きい訳でもなく足が早い訳でもないので、あまり目立たないプレイヤーだった。
何か、自分を確認する術が欲しかったんだと思う。今思えば。
ヒーローになってる人達が持つ「イメージ」みたいなもの、「◯◯と言えば□□」が、特色が自分にも欲しかった。
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中学に入ったぐらいから、ちょっと自分の特色に気づき始めた。
音楽が好きだった。
ビートルズは小学校1年生から好きだった。
中学校でそれを言うと「ダセえ」とバカにされたけど。
でも、数は少ないけど中学生ぐらいになると音楽に目覚めてしまうヤツが出てくるんです。
レンタルレコードやレンタルCDに行っては、FMStationなどで紹介されているアルバムを借りまくる。
それを紹介して、「お、これいいじゃん」って言われると嬉しくなる。
なんか音楽楽しいぞとなってきた。
音楽をやってる人たちにも興味を持ち出した。
ミュージシャンの文化や価値観みたいなもの、それもメインストリームじゃない人たちが持ってるアウトサイダー的な魅力に、僕も魅力を感じるようになった。
パンクとかにね。
あ、これで行こうと思いました。
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という子供が、今こうなりました(シゲノ ケイイチロウ)。
特色、強みがなかったので、自分で探しました。
自分で出来そうな、後天的に獲得できるもの、音楽の要素、ロケンロールな要素を取り込むことで自分のキャラクター生成を行いました。
いつしか、そういうイメージが出来上がりました。
「職業は指揮者ですか?」と聞かれたこともあります。
外見だけじゃないです。「がんばるぞー!」っていうロケンロールの教義もしっかり会得しています。
退屈は悪です。
§
シゲノ ケイイチロウがこんな感じっていうのが、薄っすらでも出来上がってるなという自覚はあります。
30年ぐらいかけて作ってきたから、多分それは本物なんじゃないかと思ってます。
流行に流された経験はあまりありません。
これってブランディングの1つかなって思ってます。
また、ブランディングっていう理解が難しい概念を、僕はこうやって理解、把握しようとしています。
§
「人と同じ事がイヤ」という自分の性質を、出来るだけ仕事に活かそうとしています、実は。
周りの人に勝てないと思って、抜け道を探した経験って、実は活かせるんじゃないかなって思ってます。
目立つことが、時には弊害を生むけれど、資本主義で行われるビジネスにおいては目立ってなんぼではないでしょうか?
気付いてくれないと、認知してくれないと、それは存在していないのと同じです。
§
クライアントの名称から「あ、あの◯◯◯のとこね・・・」という言葉をすぐに引き出せる、
その一助を担うWEBを作るのが、自分がしたい仕事の1つです。
「シゲノさん、あぁ、あの人ね」と言われた時、僕は幸せです。
そういう幸せを、提供したいです。
「コンプレックスを舞台に上げればそれはロックになる」という大槻ケンヂという人の言葉があります。
分かるわ〜。
Adios.
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